愛情ホルモンは用法用量を守って正しくお使いください

1 はじめに本記事は、雑誌『教育技術』(小学館)とEDUPEDIAのコラボ企画として行われた、中野信子先生へのインタビューを記事化したものです。 「脳科学的に見て、いじめは本来人間に備わった“機能"による行為」であると考える脳科学者の中野先生に、道徳的に教え諭すのではなく、いじめに対するアプローチを変えて、良好な人間関係を維持するためのヒントを伺いました。『小一教育技術』~『小六教育技術』11月号にもインタビュー記事が載っていますので、そちらも合わせてご覧ください。⇒教育技術.net2 インタビューいじめ...

脳内物質の視点から言うと、「仲がよいほどいじめが起きやすい」という傾向があります。
誰かと長時間同じ空間に一緒にいることで、「仲間意識」をつくる「オキシトシン」という脳内ホルモンが分泌されます。オキシトシンは愛情ホルモンとも呼ばれ、脳に愛情や親近感を感じさせるホルモンです。しかし、このオキシトシンが高まりすぎることで、仲間を守ろうという意識が高まり、「邪魔者」は排除しなければ、という意識も同時に高まってしまうということが分かっています。

愛情ホルモンのオキシトシンがいじめの要因って、目からウロコだったけど妙に納得。

で、独身時代はおひとりさま上等だった私が、なぜか常日頃育児に心を砕いてる現状って、絶対オキシトシン爆増してるよねー、もしかして毒親予備軍化してるかもと、ちょっと気になってきました。

この制裁行動が促進されるもう一つの原因は、制裁行動に「快感」を感じるからであると考えられます。実際に、制裁行動が発動する時の脳では、「ドーパミン」が放出され、喜びを感じることが分かっています。
これは、ルールに従わない者に罰を与えるという「正義」を持って制裁をするため、そこでは達成欲求や承認欲求が満たされ、「快感」を感じるのです。

「しつけ」という名のパワハラも、ドーパミンで快感を感じてる可能性がありますね。

そんなオキシトシンやドーパミンに耽溺した生活を送ってしまうと….

脳科学者の中野信子さんの著書『毒親 毒親育ちのあなたと毒親になりたくないあなたへ』は、多くのエビデンスや実例をベースに、脳の仕組みをふまえて「毒親」「親子関係」に悩む人々への救いになる一冊だ。その発売を記念して本書より一部抜粋掲載にてご紹介させていただく第2回は、毒親が子どもにどのような影響をもたらすのか、「家族が辛い」という状況はなぜ起こるのかをお伝えする。

法務省が発表している殺人事件の動向というデータでは2016年に摘発した殺人事件(未遂を含む)のうち実に半分以上の 55 %が親族間殺人。実際に検挙件数そのものは半減している中で親族間殺人の割合は増加しています。

家族を作るってめちゃくちゃリスキー!
殺人の可能性が最も高い集団の中で生きていかねばならんのです。

「かわいさ余って憎さ百倍」というし、昔の人はよーくわかっていたんですよ。

オキシトシンの話と合わせると、家族でもちょっと心理的距離は置いておいた方が良いのかも。「親しき仲にも礼儀あり」も昔の人の知恵ですね。

そう考えると、昔は家族でも敬語だったとか、「お前は橋の下から拾ってきた」などというのも、オキシトシンの過剰分泌を避けるための工夫だったのかもしれないと思いました。

現代風に言うと、家族間でもコロナ感染しないくらいの距離感、というのは実は必要なのかもしれません。