国際科学オリンピックに見る日本と世界の違い
息子が理系方面に興味を持ったら、国際科学オリンピックに挑戦するのもいいなあと妄想して、この本を読んでみました。
目次は以下の通り。
- 国際科学オリンピック概観
- 数学オリンピック
- 物理オリンピック
- 化学オリンピック
- 生物学オリンピック
- 情報オリンピック
- 東京理科大学の公開シンポジウム
私は、数学オリンピックがあると聞き覚えがあっただけで、物理や化学、生物学、情報の分野にもオリンピックがあるとは知りませんでした。
本書には記載がありませんでしたが、ネットで調べると地学もオリンピックがあるようです。
本書では、物理オリンピックで地学や技術に関わる応用問題が出題されるとありました。
世界的には地学の内容が物理学の中で扱われている場合が多いそうです。
それぞれの項目を読むと、どれも高校で履修する内容や、大学受験対策での勉強とは方向性が異なるようでした。
例えば数学であれば、公式を知っていれば解けるようなものではなく、「深く掘り下げてじっくり考える力や混沌とした未知の世界の中から、真理につながる一筋の糸を粘り強く探し出す能力」が必要だそうです。
IMOはこの観点から、多くの若者の知的好奇心を刺激し、また、問題解きを通して”集中して物事を思考した結果、達成感を得られる”と言う体験が出来るよう努めるべきです。この体験は、数学研究者になるためだけでなく、すべての活動で極めて重要と思われます。
最近、2歳の息子が好んでパズルをやりますが、ちょっとつまってるからって親が手助けしないほうがいいのかもしれないですね・・。でもできないと癇癪起こすか、途中で放り投げるしなー。
化学は、日本はかなり立ち遅れており、日本では大学1〜3年で履修するような内容を、国際標準では高校の内に当たり前に教えているそうです。
また、生物に関しても世界と日本では大きな違いがあり、世界のほぼ全ての国で人の健康に関する内容の解説に大きな力点が置かれているそうです。
たとえば、諸外国では感染症、妊娠、出産、避妊、性接触性感染症、発癌、ドラッグ、栄養、遺伝病などのテーマを真正面から説明しています。
日本の高校教育では試験のための勉強に特化し、自分の生活を守るための勉強と言う根幹が抜けているといえます。
国際的な科学オリンピックの出題範囲を見ることで、日本と世界の違いを知ることは有意義だと思いました。
いい学校に入るため、人よりデキる人間になるための勉強ではなく、自分の喜びのため、自分の生活を良くするために学び、それが結果として人のためにもなるというのがいいですね。
本書は科学オリンピックの概要がコンパクトにまとめられていましたが、さらに詳しく調べていきたいと思いました。