小規模特認校のメリットと通わない場合の代替方法を考えた

子どもに自然の中で教育を受けさせたいーー現代人の妄想ですが、やはり自然に憧れがあります。

山の中で少人数で教育する小規模特認校に、以前から興味を持っていました。通学時間が1時間以内程度であれば、入学できるようです。全校生徒で50〜60人くらい。息子が現在通う保育園の半分以下の人数です。

小規模特認校の説明会に行ったのは大分前なのですが、期待をふくらませて行った私の感想は、「やっぱり良さそう!自然いっぱい!子供達もしっかりしていて優しい!」でした。
でも、私に付き合わされた夫は、「なんでわざわざ近所の校区の公立小でなくて田舎の学校に?」と「こんな遠くまで来なくていい」との感想でした。

小さめの地方都市で育った私には、都会への憧れと田舎への憧れの両方があります。
住居はそこそこ都会、学校は田舎というのは、都会と田舎のいいとこ取りで、私には理想の環境に思えるのです。

でも、本当の本当に、教育の環境として小規模特認校でないとダメなのか?
私の考える小規模特認校のメリットと、校区の小学校に通った場合の代替方法を検討してみようと思います。

メリットその1:自然体験を多く持てる

私の最初の憧れの部分です。
毎日の登下校で緑の中を通り抜ける気持ち良さ、農業体験、キャンプなどなど・・・。空気が美味しい場所で学んで遊べるのは魅力的です。

代替方法は?

農業体験やキャンプなどのイベントに関しては、まだ家庭でも意識すれば土日にできるかな、と思います。特に、神戸は山も海も近い地形。土日に気軽に登山にも行けます。ボーイスカウトに放り込むのでも良さそう。

メリットその2:リーダーシップが養われる

私が影響されたブロガーさんの記事がこちら。小規模小学校の良さが実体験として書かれていてリアルです。以降はこの記事にあるメリットについて考えています。

6年生になったらみんな自動的になにかしらのリーダーをやらなければいけません。引っ込み事案であろうが、コミュ障であろうが、そんなの知ったこっちゃねーや。人不足なんじゃい。そんな感じで強引にもリーダーの経験を作ることになります。

小規模特認校のメリット・デメリット

少人数で人手不足のため、全員が絶対に何かのリーダーにならなくてはならない、という点。私的にはかなりポイント高いです。

私自身を反面教師としてほしいからなのですが、私は子供の頃からほとんど長と名のつくものはやってこななかったんです。
親の影響もあると思います。些細なことですが、町内会の役員決めの前日に「役員になりませんようにー!」とお祈りしている母を見て、リーダーなんてやらない方がいいんだ、と刷り込まれてしまいました。
親の態度の影響力って怖いですね。

でも、大人になって社会人になると、人を取りまとめる機会というのは大なり小なり出てきます。小さなとこでは飲み会の幹事とか。そういうのを経験してわかったのは、リーダーの苦労は知っておいたほうがいいということ。リーダーの大変さをわかっていれば、協力をしてあげようという気持ちになれます。私は、自分で経験するまでは、かなり非協力的だったなと反省してます。

経験値として、子供の頃にリーダー経験を積んだほうが良いと思います。

代替方法は?

大人数の小学校でも、選ばれたリーダーになるべく家庭で教え込む・・・。これはハードルが高いし、立候補しても選ばれない可能性があります。特に、息子は3月の早生まれなので、同じ学年では最も頼りない部類に入るはず。

また、大人数の集まりのほうが、非協力的なメンバーは増えてくると思います。これも難易度が上がるところ。リーダーになったはいいが、嫌気がさして二度とするもんかとトラウマになる可能性もあります。

この点はなかなか代替方法が思いつきません。

メリットその3:手際が良くなる≒無駄な時間を過ごさない

小規模校出身者は「サボる」という概念がありません。掃除とか、仕事に対してとにかく手を抜かないように教育されています。

なぜなら人数がいないから。
(中略)
担当者2人のうち1人は、教室と教室前廊下全部を雑巾がけし、もう1人は教室全部ほうきで掃いて、プラスアルファの掃除をする感じです。20分でできるぎりぎりの量だと思います。

これを20分の間に終わらせなきゃいけないので、サボる余地がありません。1年生の頃からこんな感じだったから、サボるという発想がもはや沸いて来ません。

子どもがこれをやるとなると、スパルタですがしっかりした人間になりそうですね(人ごと?)。
サボっているのが許されない環境は厳しいですが成長させてくれそうです。

大人数の中にいると「誰かがやってくれる」「人手が余ってやることがない」となって、一部の手際が良くしっかりした子がなんでもやってしまう、ということに陥りがちです。
大きな集団では、無駄な時間が多いということなのかもしれません。
でも、大企業のサラリーマンや公務員などになるなら、無駄な時間への耐性があったほうが順応しやすいかもと思ったりします・・・。

代替方法は?

これも難しそうですね。特にひとりっ子の我が家では、スポイルして何もできない子になるリスクの方が高いので、気をつけないといけないくらい。

しかし、「手際の良さ」は必要な資質なのか、という根本的な問いも考えてしまいます。
「手際の良さ」と「要領の良さ」はどちらが人生にとって有用なのか。

子どもの頃に親の手伝いをしたり、身の回りのことを自分でするといったことは、学力と相関関係は無いそうです。
4人のお子さんを東大に入れたことで有名な佐藤ママは、家の手伝いはやらせない、子どもの勉強の準備や参考書の選定まで全面的にサポートするという徹底ぶりが、世間では批判の対象ともなり物議も醸していますが、結果として学力の高さは証明してますよね。

私としては、子どもにはたくさん稼げる大人になって欲しいと思いますが、品行方正だったり器用だったり働き者だったりすることが、必ずしも収入とは関連しないでしょう。

ただ、希少性というのは稼げるポイントなので、大多数が体験しない小規模学校の経験というのは魅力に感じてるんですよね。希少性の諸刃の剣で金がかかるという面もあるんですけどね・・・。

我が家の場合のデメリットは、やっぱり少々遠いということですかねー。まだちょっと考えたいです。